原発処理水検査の信頼性2023年8月27日

「会社四季報」とか「会社情報」といった本がいまだに売られている。企業から提出してもらった今後の業績見通しを、ほとんどそのまま掲載した本だ。株式投資の指針として長い間出版され続けている本だ。簡単にわかることだが、企業が自社の業績見通しを悪く発表するはずがない。したがって、このような本が投資に役立つはずがない。当該企業から独立した所でなければ、適正な評価などできるわけがない。福島第1原発処理水の海洋放出がはじまって2日目、東京電力は、放射性物質トリチウムの濃度は10か所全地点で機器の検出下限値より低く、有意な変動は確認されていない、と発表した。ばかばかしいことに日本のメディアは、東京電力の発表に何ら疑問を呈するでもなく、そのまま報道している。汚染水を放出している当の東京電力が検査しているのだから、都合の悪いことを発表するはずがない、と思わないのはどうしてなのか。メディアの程度が低すぎるのか。検査する機関なり組織なりは、東京電力から独立した所でなければ、正確な検査結果など出るわけがない。IAEAが福島第1原発処理水の海洋放出の安全性にお墨付きを与えたようになっているが、IAEAは東京電力の説明が正確だと前提して判断しているに過ぎない。原発処理水を放出している東京電力の検査結果をそのまま報道しているなんて、全くもってあきれ返る。近隣諸国で大きく問題視されていることなのだから、まともに検査すべきなのだ。

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