ウクライナ軍が攻勢に転じる少し前に、NHKがウクライナ国防相にインタビューした内容が報道されていた。自らテレビを見ることはないから、耳に入ってきたことだが、インタビュー者が国防相に、いつから反転攻勢を始めるか、なんてことを聞いていた。インタビュー者は誰かに指示されたことを尋ねているに過ぎないのだろうが、こんなばかばかしいことを質問しているのにはあきれ果てた。ウクライナ軍は遊びの戦争ゲームをしているのではない。死ぬか生きるかの戦争をしているのだ。何日から攻撃を開始しますよ、なんて言ったら敵軍に手の内をさらけ出して攻撃に備えさせることになるから、そんなことを言うわけがないということがわからないのか。ロシアとウクライナが戦争ゲームをしている程度の認識しかしていないから、こんなバカげた質問ができるのだ。ウクライナ国防相は心の中で、こんな質問がよくできるものだと嘲笑していたことだろう。
米国の隣のメキシコに、東側の軍事同盟軍が進出するよう、仮にロシアの副大統領が働きかけていたとしよう。米国がそれを黙認することなどありえない。米国軍を進出させて阻止しようとするだろう。バイデン氏は副大統領時、ウクライナを何度か訪れ、ウクライナにNATO加盟を働きかけていたようだ。ロシア・ウクライナが戦争に至ったのは何ら不思議なことではない。同様なことが右側にあれば白と言い、左側にあれば黒という。ダブルスタンダードが何ら疑われることなくまかり通り、メディアは疑問すら提示しない。12日ブリンケン米国務長官は、中国がキューバに情報収集施設を設け、2019年に増強したと表明し、中国による世界的なスパイ活動の一環として警戒感を示した、という報道があった。単なる情報収集施設でさえ、米国は目くじらを立てる国だ。米国の情報収集施設など世界中のいたるところに設置されている。米国が西側同盟国に対して盗聴活動をしていることがしばらく前に暴露されたが、うやむやのまま忘れ去られた。相手が米国のことになると、国家の安全を脅かす根幹に関わることさえ西側諸国は追及しない。
軍人は上からの命令に逆らえない。逆らえば軍法違反で処罰され、ひどければ命まで奪われる。メディアはそんなことさえ知らないようだ。ロシアの兵士を悪の権化のように報道しているのを見れば馬鹿さ加減がわかるだろう。あんたがロシア兵だとして、「ウクライナとの戦争は不正義の戦争だから戦うのをやめましょう」何て言えるか!戦争は憎しみの連鎖反応を生み出し、いったん始まると簡単には終わらない。だから戦争をしない、戦争になるような状況を作り出さないことがほかの何事よりも優先されなければならないのだ。戦争が始まってしまったら、戦争をやめさせることが最優先されるべきことだ。今の世界を見てみろ。米国を筆頭にウクライナへの援助を競い合って戦争を長引かせることに執着し、兵器製造企業は狂い咲きしている。