日銀が円安にこだわる理由2023年4月25日

円は米ドルに対して、米国の一部の銀行破綻とクレディスイスの破綻で130円まで戻したが、あわてふためいた主要中銀のドル供給で戻りが止まって以降、じりじり安くなってきている。一カ月でドルに対して3%ほど下げている。一方ユーロに対しては140円から148円と6%近く下げている。米国の利上げは5月の0.25%の利上げで終了する予想なのに対し、ユーロは0.5%利上げ予想なので円はユーロに対してさらに下げるだろう。日銀総裁が変わっても、日銀にできることはほとんどないから、従来の円安政策をほんの少し手直しするのが関の山だ。日本の唯一の成長産業の観光業を伸ばすためには、円安以外に手段はないから、空前の日本国債発行の利払い費の増大を抑える必要もあり、円安政策は続いていくことになる。企業の値上げが、おめでたい国民の無関心のために、さらに続いていくから、年金で暮らしている世帯を直撃する。いつまで「のほほん」としていられるか?「のほほん国民」は「持続する物価上昇は増税と同じだ」といつ気がつくか?

日本国民の特徴を考えてみた。1.足し算引き算の算数は小学校の中だけで使うと思っている。2.おはよう、こんにちわの挨拶は、学校と職場でするものと思っている。要するに応用が利かないのだ。他国でのコンビニの普及は利便性が主たる要因だが、日本でコンビニがあふれているのは、足し算引き算が実社会で使えないからだ。挨拶は学校や職場内でするものと思っているから、そこを出ると、おはようこんにちはの簡単な挨拶さえできない。日本人でノーベル賞の経済学賞を受賞する人がでてこないのも、物理学賞をもらう人の少ない理由も、同様である。

日本の政権政党の交代の可能性は、野田民主党政権によって葬り去られたといってよい。野田民主党政権は、自民党政権の増税政策にさらに輪を掛けた増税路線で衆議院選挙に打って出て、憲政史上まれにみる大敗を喫し、もんどりうって政権の座から転落しただけでなく、その後の自民党政権の足場固めに多大な貢献をした。野党時代の民主党に期待した国民は、大いに失望し、「自民党よりさらにひどい増税をするのが野党政権の行きつく先か、それなら自民党政権のほうがまだましだ」という思いにとらわれてしまった。日本の野党には政党としてのセンスがないのである。今回の選挙にしても、日本維新の会が勢力を拡大したなんてさわがれているが、今回の選挙もまた性懲りもなく、野党同士で争って野党票の食い合いをしているだけである。ChatGPTに「日本で政権政党が変わらない理由」を問うてみたら、返答のなかにこういうのがあった。『野党の結束力の弱さ: 日本の野党は、政策や理念の違いによって分裂することが多く、一つの大きな野党が形成されることは稀です。このため、政権交代を目指す野党は、選挙において散発的に票を獲得することが多く、政権交代に至るまでには至らないことがあります。』 『国民の政治への無関心: 日本の若者を中心に、政治に対する関心が低い傾向があることが指摘されています。このため、政治に対して積極的に参加することが少なく、政治に関する情報を十分に収集することができない人が多いため、政治家や政党に対する理解が不十分で、政権交代に至らないことがあります。』 重箱の隅を楊枝でつつくことには熱心で、重箱自体をつくることができないのが、日本の野党の特質である。自民党が政権政党であり続けられるのは、重箱自体の価値を十二分に知っているからである。

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