熊谷徹氏の『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んだ後、何かをするにつけ、自分がドイツ人だったらどうするかと考えるようになった。週に3~4回食料品を買いに行くスーパーのレジでよく待たされる。前に4~5人並んでいると7~8分くらいは待たされて、イライラしてくるのが常であったが、最近はドイツ人だったらどう考えるだろうかと思いめぐらすようになった。レジ係のおばさんはパートのようだ。物価上昇で厳しい生活の中で、生活費を稼ぐためにパート従業員になっているに違いない。自分と同じ労働者だ。自分がレジ係だったら・・・。おねえちゃんのレジ係が少しつっけんどんでも仕方ないや、などと思いめぐらしているといつの間にか自分の順番になっている。
ドイツ人の行動様式は自分にピッタリだと頻繁に思う。ドイツ人の生活様式が何ともほほえましく感じる。若ければ、日本のように当たり前のことが行われない常識の欠如した国を脱出して、ドイツで暮らすだろうな、とよく考えるようになった。
スーツは一着、ネクタイは一本しか持っていない、というドイツ人。ある企業の課長はスーツ上下は夏用一セット、冬用一セット持っているだけ。こすれて薄くなったスーツの肘の部分に布を縫い付けて補強し、着続けている人が珍しくない!なんと私のような貧乏人にぴったりな生活様式ではないか。食事はどうか?夕食の料理に火を使わない家庭が多い。夕食はパンやハム、チーズだけの食事で済ませる!日本人が夕食に招待された。夕食の中身は、カボチャのスープとパンだけでがっかりした。ドイツ人の家庭は、共働きがほとんどで、平日は買い物や調理に充てる時間があまりなく、夕食を簡単に済ませる家庭が多いそうだ。
ドイツ人の多くがプレゼントを贈るのは、クリスマスと誕生日くらいで、旅行帰りのお土産を配る習慣がない。結婚祝いのお返しもしない。誕生日パーティーでは、プレゼントではなく料理やデザートの持参を要望され、招待者は飲み物だけ用意するのだという。それでもドイツ人は幸せだ。