今回の選挙はハリス氏が当選すると予想していたが、トランプ氏が返り咲く可能性が大きくなった。バイデン氏が大統領選に出馬する理由に挙げた民主主義を守るためには、バイデン氏が出馬を取りやめることが最良の選択だと今年の1月初めに書いた。バイデン氏が選挙撤退を表明したのは7/21である。遅きに失したことで民主党の有力者を候補者にすることができず、やむを得ずハリス氏を候補者にするしかなかったことが、トランプ氏の返り咲きが濃厚になってきた最大の理由である。米国民の多数は、自分の利益を増やしてくれれば、相手がどんな人間でも構わないと思っている。選挙のような人気投票では、ハロー効果が威力を発揮する。ハロー効果で見れば、トランプ氏とハリス氏では、トランプ氏のほうが圧倒的に上である。日本のように変化を望まない国民が過半の国と米国は違う。バイデン氏の二番煎じのような主張を繰り返していたのでは新鮮味がないから、変化を好む米国人を引き付ける力が弱い。バイデン氏の後継者として売り出すしかなかったハリス氏は、その点がアキレスけんになっている。ハリス氏は教養が邪魔をして、トランプ氏のように何ら根拠のないでまかせを言えない。何の根拠もない事であっても、言いたい放題国民の視線が集まるような話題を繰り出すトランプ氏に対して影がうすくなってしまう。9月の平均時給は前月比0.4%、前年比4%上げている。9月の個人所得をみると前月比0.3%増個人支出は0.5%増と支出も好調だ。日本とは雲泥の差である。9月の消費者物価指数は前月比0.2%上昇、前年比2.4%上昇で平均時給の上昇率のほうが上回っている。なのにバイデン政権の経済政策に不満なのだと言われている。そのことがハリス氏にマイナスの影響を与えているのだという。日本と大違いだ。日本でなら米国が示している指標なら全く文句は出ないに違いない。どこまでも強欲なのが過半の米国人なのである。イーロン・マスク氏がカネ爆弾を降らせて、米国大統領選挙がどういうものか鮮明に教えているのが今回の特徴だ。 いまだに人類はこんな国のドルに支配されている。